フィリピンでの年の差結婚の闇
セブ島に滞在していた時、休日といえばショッピングモールしか行くところが無い。
なので、よくフラフラしていたのであるが、その時によく見ていたのがかなりの年の差カップルである。
女性のほうはおそらく、20から23歳とか私と同じくらい。
男性のほうは、杖をついたよぼよぼのおじいちゃん。白人である。
2人で仲良く手をつないで歩いているのを見かけた。そういうカップルがたくさんいるのである。若いフィリピン人女性とよぼよぼの欧米人という組み合わせ。
フィリピン人の友達に聞いたところ、米国で軍隊を引退した人が少ない年金で老後の生活をフィリピンで過ごすそう。
そこで一緒に住むパートナーも見つけるらしい。
年金は少ないといえども、フィリピンは物価が安いので、暮らすには十分な金額である。
もちろん、「真実の愛」的な結婚ではない。フィリピン人の友達曰く、ほとんどが、お金目当ての結婚である、ということ。
家族もお金に困らないのであれば、よぼよぼの欧米人と結婚するべきだと勧めるパターンもあるそう。家族のために、家族が必要なお金のために結婚する女性もいるとか。
日本では、考えられないし、これはほぼ人身売買なんじゃないか、とも思う。
ドイツ人と付き合っているフィリピン人の友達は「両親は、私が先進国の人と付き合ってるからハッピー」と言っていた。もはや、中身というより、先進国出身であるということが安心材料らしい。
フィリピンに行って見ればわかるのは、貧富の差とか、日本では考えられない貧しい暮らしとか、しかし、それはただただ表面的なことで、
よく見てみるとその中には、お金のために結婚したり、違法な炭鉱作業で危険を犯してお金をあつめたり、観光客を脅してお金をとったり、
普通に考えてしてはいけない事、しない事が行われているのである。
一見、お金がなくても皆、明るく幸せそうに見えるフィリピンであるが、よく見るとお金のためにプライドを捨てて生活したり、彼ら、フィリピン人の状況を利用して、人権を無視する人はたくさんいる。
東南アジアの人々が過酷な労働環境で作っている洋服を着ている私も、彼らと同じことをしているのではないか、と怖くなることもある。彼らのためには、そういうものを買わない運動、彼らの収入のために買うのはどちらが正解なのだろう。