スカウト型就活の闇
就職活動は不毛である。
説明会に行って、応募をして、テストを受けて、面接をして、という一方的な行為に飽きてしまったので、
スカウト型就活サイトというのに登録することにしてみた。
スカウト型就活サイトというのは、自分の履歴書をまずサイトに登録して
企業の採用担当者が気になる学生にメッセージを送ってスカウトを行うものである。
登録してすぐに、たくさんスカウトが来た。
ここで「スカウト」という言葉について考えたいと思う。
良く聞くのは「芸能スカウト」や野球などスポーツ選手にチームが「スカウト」をするものだろう。
なので、「スカウト」と聞くと、あたかも履歴書を見ただけで「入社しませんか。」と言われているように思いがちだが、
日本の就職活動はそんなに甘くない。
私の履歴書には「専門性を身に着けたい」と書いてある。
採用担当者からのメッセージには
「〇〇さんの~~という点が素晴らしいと思いました。」
とあたかも、履歴書全部読んでますと感じさせるような内容がある。
なぜ「感じさせる」かという表現を使ったかというと、
本当に、履歴書の内容を吟味してスカウトをしているか疑問に感じたからである。
スカウトを受けた企業の1次面接に行った際にいろいろと聞かれた。
「うちで何をやりたいの?」「専門性身に着けるなら〇〇会社の方が良くない?」
私は、ただスカウトを受けたから来ただけで、別に他の会社をそこで勧められる筋合いはないのである。
スカウトを送ってきた採用担当者とは別の面接官だったが、企業の方針として一貫性がないのはどうかと思う。
面接の時間から15分くらい遅れての登場であったし、不信感は募るばかりであった。
もしかすると、スカウト型就活サイトというのは、応募の母数を増やすためだけのツールなのかもしれない。
そこから、適当に学生を呼んで、良い人がいたら良いなーのレベルで企業は利用しているのであろう。
だが、学生側は、しっかりとプロフィール・志望業界・性格診断テストも受けているし、
企業側の判断材料は十分にそろっているはずである。
今の時代、インターネットで何でもできる時代であるし、そこでなぜわざわざ来社、
最悪のパターンだと服装指定までされなくてはいけないのだろうか。
すごく、非効率なことをしているようで我慢ならない日本の就職活動制度である。
スカウト型就活なんて、日本も変わろうとしているんだな!と感動しただけ、とてもがっかりした体験だった。